放逸(ほうめん)の人の中に
ひとりいそしみ
うち眠る人の中に
ひとりよくさめたる
かくの如き智者は
かの足早き馬の
おそき馬を 駆けぬくごとく
彼は足早く 走りゆくなり
主典「法句経」
世の中はおこたり怠ける人が多くいます。
そして人間はみなやすきにつきたがります。
朱にまじわれば赤くなると言います。
そんな環境の中にいると、自分もいつのまにか怠けものになってしまいます。
だから、釈迦は たとえそんな人の中にあっても一人いそしみはげみ、
努力することを忘れてはならないと教えています。
うち眠る人の中に、ひとりめざめて、精進努力する人は、
足の早い馬が他の馬をおいぬいて走りさるように、
早く涅槃の境地に達すると言います。